ムクナ豆は日本名で「八升豆」とも呼ばれるネパール原産のマメ科の植物です。
栄養価が高く滋養強壮や精力増強効果があることから「天然のバイアグラ」とも称され、最近ではパーキンソン病の改善に効果があるのではないかということで注目を集めています。
ムクナ豆の最大の特徴といってもいいのは「L-ドーパ」という成分。
このL-ドーパ成分は脳内麻薬とも言われる神経伝達物質であるドーパミンの生成を高めるため、やる気や集中力のアップなどの効果が期待できます。
そして、その結果として勉強や運動、仕事などのパフォーマンスを向上させることが可能なのです。
また、ドーパミンに刺激されることで男性ホルモンであるテストステロンが増える事がわかっており、テストステロンが増えると性欲の向上や勃起力アップへと繋がっていきます。
目次
ムクナ豆の勃起力や精力アップの効果はあるのか?
精力減退や勃起力低下で悩む男性は年々増えており、それに比例して精力剤や精力サプリもどんどん発売されていますが、その精力剤やサプリの中でも近年注目されている成分の中の一つに、ムクナ豆があります。
精力剤にムクナ豆が含まれる理由としては、男性機能の改善や向上の効果が見込めると言われているからです。
ムクナ豆の代表的な働きに、ドーパミンの生成量を増やす点が挙げられます。
これはL-ドーパという成分によるものですが、ドーパミンがたくさん生成されると、男性ホルモンの一種であるテストステロンが刺激されて活発に分泌されます。
テストステロンには性欲を高めたり、勃起力を向上させたり男性機能にとって重要な働きが多くありますから、ムクナ豆は精力剤や男性向けのサプリメントによく配合されるようになっています。
これらのムクナ豆の効果効能はすでに実験でも立証されていて、パーキンソン病患者にL-ドーパ製剤を与えたところ性機能の改善や性欲を更新する作用のあることが既に報告されているほどです。
勃起力アップや精力増強以外のムクナ豆の主な5つの効果効能
パーキンソン病の症状の緩和
パーキンソン病はドーパミンという神経伝達物質が体内でうまく生成されなくなることで発症する病です。
ムクナ豆にはL-ドーパと言われるドーパミンを生成する物質が豊富に含まれているので、パーキンソン病の改善効果があるのではないかとして世界中からの注目を集めました。
実はこのようなムクナ豆を使った医療方法は、かなり昔から国や地域によっては導入されています。
例えばインドには独特のアーユルヴェーダという医療が発展しているのですが、このアーユルヴェーダの医療の中では、すでにムクナ豆を代替薬として利用された歴史があったと言われています。
パーキンソン病の治療では、L-ドーパ製剤が使われますが、まさにムクナ豆に含まれる成分と一緒なのです。
うつ病の緩和
パーキンソン病の改善にはドーパミンを増やす必要があると紹介しました。
この他にもドーパミンを増やすことによってパーキンソン病以外に、うつ病の改善も期待できます。
ドーパミンが分泌されると、脳内で「幸福感・快感」が生まれやすくなります。また行動を起こそうとする意欲も高められます。
逆に言えば、ドーパミンがスムーズに生成されないと気分が落ち込みやすくなる、行動を起こすのが億劫になるなどの支障が生じるわけです。
ムクナ豆を摂取することでL-ドーパを効率的に吸収でき、不足しているドーパミンを増やせる可能性があります。
うつ病とまでは行かなくても、日常的に多くストレスが溜まっていると感じている時や気分が落ち込んでいる時などにムクナ豆を摂取することでポジティブに物事を考えられるようになれるかもしれません。
糖尿病など生活習慣病の予防
生活習慣病という言葉が広く定着していますが、その中でも日本人で発症する人が年々増えている症状の一つに、糖尿病があります。
糖尿病とは血糖値が高い状態で推移する病気で、別の病気を引き起こすリスクを高めるとして問題視されている病気です。
ですがムクナ豆には、この血糖値の上昇を抑制する作用があるのではないかという研究レポートも出ています。
糖尿病をはじめとした生活習慣病の予防のために、定期的にムクナ豆を摂取することが注目されています。
疲労回復の効果
ムクナ豆には必須アミノ酸が豊富に含まれています。
アミノ酸は私たちの体の原料となる大事な栄養素です。アミノ酸の中には自分の体内にて生成できるものもあれば、体外から取り入れる以外に方法のない種類もあります。
必須アミノ酸は体内で生成できない、外部から補うしかない成分です。
その中の一つにBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)という成分も含まれていますが、このBCAAには運動能力の向上や筋肉増強効果以外に中枢性の疲労を軽減する働きがあるとされます。
近頃疲労がたまっている、よく眠ったつもりでも前日の疲れがきちんと取れていないというような方であれば、ムクナ豆を摂取してみると良いでしょう。
筋肉増強や運動能力の向上
疲労回復効果も持つBCAAですが、最も有名な効果としては筋肉増強や運動能力の向上の効果です。
BCAAはアスリートの中でサプリメントなどにより定期的に摂取している人も少なくありません。
BCAAには筋力アップや筋肉の分解を抑制する効果があり、人の筋タンパク質の中に含まれるBCAAの割合は実に35%にも達すると言われています。
ですので筋肉づくりに果たすウエイトは決して少なくありません。さらにムクナ豆に含まれるL-ドーパにはやる気を高め、集中力アップの効果もあると言われていますから、相乗効果が期待できます。
そもそもムクナ豆とは?
ムクナは、マメ科のつる性の植物を指します。特に夏場になると成長する性質があって、個体差はあるものの3メートルから18メートルくらいまで成長するものもあります。
花が咲き、その後に一つの花房から複数のさやがぶら下がるように実り、その豆のことをムクナ豆というわけです。
ムクナは成長力に長けた植物として知られていて、地面に沿って種をまくと、数か月もすればその土地一面を覆い尽くしてしまうほどに成長しまうのです。
また温暖な気候であれば、基本的にどのような土壌でも十分成長できます。
このような成長力・生命力の高さを支えているのが、マメに豊富に含まれている多種多様な栄養分です。
栄養バランスに優れた豆ということもあって、古くから注目を集めてきました。
ちなみに八升豆という品種を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、八升豆は日本で品種改良されたムクナ豆の一種です。
ムクナ豆に含まれる代表的な有効成分とその主な効果
L-ドーパ
ムクナ豆に含まれる成分の中で切っても切り離せない成分が、L-ドーパでしょう。
L-ドーパは腸から吸収されると血液に乗って脳に到達します。するとドーパミンという脳内物質が生成されます。
活力ある健康な生活を送るためにはドーパミンが必要なのですが、年齢を重ねるとそのドーパミンの生成力はどんどん低下すると言われています。
実に10歳年齢を重ねると10%も減少するというデータもあるほどです。
ドーパミンは外部から取り入れても、脳に到達しないことが分かっていますが、ドーパミンを作る原料のL-ドーパを補給することでドーパミンの生成力も向上することが可能になるわけです。
ドーパミンは三大神経伝達物質と言われており、その主な効果としては脳内の「快感」や「やる気」に大きな影響を与え、結果、運動や学習などへ行動を促進させる効果があります。
フェニルアラニン、チロシン
ムクナ豆にはアミノ酸が豊富に含まれています。アミノ酸は私たちの体のもとになる栄養分で、その他にもエネルギーを作り出す代謝でも必要とされる栄養分です。
特にその中でも必須アミノ酸と言って、体内で生成できないので外部から摂取しなければならない成分がムクナ豆には9種類も含まれています。
このアミノ酸の中でも、注目したいのが、フェニルアラニンとチロシンという成分です。
ムクナ豆にはL-ドーパが含まれていて、ドーパミンの生成を促す効果があるとすでに紹介しました。しかしL-ドーパだけでドーパミンを作り出すことはできません。
フェニルアラニンとチロシンは、このドーパミンを作るための材料になる栄養素なのです。
つまりムクナ豆を食べれば、L-ドーパとフェニルアラニン、チロシンという3つのドーパミンの生成に欠かせない成分を一気に摂取できるわけです。
BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)
ムクナ豆には9種類の必須アミノ酸が含まれていると紹介しましたが、その中でも筋力や体力を向上させるためにBCAAという成分は必要不可欠です。
BCAAとは必須アミノ酸の3種類であるバリン・ロイシン・イソロイシンをまとめた呼称です。
アスリートはこのBCAAを補給するためにサプリメントを摂取する人もいるほどでです。
BCAAは筋肉量を向上し、筋肉の分解を抑制する効果があると言われており、運動のパフォーマンスを向上させるためには筋力アップは欠かせません。
また中枢性の疲労からの回復を促す効果があると言われていますかr、運動時の疲れを引きずらないようにするためにも大事な成分なのです。
L-ドーパが不足すると起こる症状とは?
せせりたつお
ムクナ豆の代表的な成分とも言える「L-ドーパ」ですが、このL-ドーパが体内に不足するとどういった症状を引き起こしてしまうのでしょうか?
パーキンソン病
パーキンソン病は、体が震えるなど自分が脳で思ったように体を動かせなくなる症状を指します。
なぜこのように思い通りに体が動かなくなるのか、それはドーパミンという神経伝達物質が何らかの原因で減少してしまうからだと言われています。
ドーパミンはL-ドーパという物質の働きによって生成されますから、つまり体内に十分なL-ドーパがないとドーパミンを作り出せなくなってしまい、パーキンソン病を発症するリスクを高める可能性があるのです。
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群という症状を耳にしたことはあるでしょうか?
脚には何の異常もないのに、虫が這っているかのような錯覚を覚える症状を指します。
結果的に足が常にむずむずするので気になってしまって、しっかり睡眠がとれなくなるという人が多いのもこの症状の特徴です。
このむずむず脚症候群も、ドーパミンの分泌異常が原因だと言われています。
つまりL-ドーパが十分に分泌されていないと、むずむず脚症候群にかかるリスクも比例して高くなるのです。
うつ病、日常的なやる気の低下
ドーパミンが十分に分泌できなくなると、メンタル面でマイナスに作用する恐れがあります。
ドーパミンには「多幸感」や「やる気」を引き起こす働きがあるとされますから、L-ドーパが不足していて十分にドーパミンが生成できなくなると、ネガティブ思考が主となって気分が落ち込みやすくなります。
その他にもやる気を失って、体を動かすこと・何らかの行動を起こすことが億劫になってしまいがちですので、結果的に健康に悪影響を与えてしまいます。
また症状が深刻だと、うつ病になる可能性も高くなってしまうのです。
ムクナ豆の摂取方法や食べ方とは
ムクナ豆は食用として摂取することも可能ですが、注意しなければならないのは、生でムクナ豆を絶対に食べないということです。
生で食べると胃腸を痛める可能性がありますので、必ずあく抜きをしてから加熱処理をしたうえで食べましょう。
通販でも食用のムクナ豆が販売されていますが、これらはすでに加熱調理されているものが多くそのまま食べても問題ありません。
また、ムクナ豆はそのまま食べる以外にも煮物などに入れて摂取する方法もおススメです。
中には粉末状で販売されている商品もあり、料理やごはんにまぶして一緒に食べる方法もあるそうです。
もし食用として食べることが難しい、面倒くさいという方はムクナ豆を配合しているサプリメントもあります。
サプリメントであれば調理をする手間もなく、定量を手軽に継続的に摂取することが可能ですので最も効果的な摂取方法だといえるでしょう。
精力増強や勃起力アップ、滋養強壮などの目的でムクナ豆を摂取したい場合は他の有効成分や原材料を含む精力剤や精力サプリから摂取するのが効率的です。
ムクナ豆の副作用とは?
インドのアーユルヴェーダの時から愛用されていたムクナ豆ですから、普通に摂取している分には副作用の起きることはまずないでしょう。
ただし、もしパーキンソン病などでL-ドーパ製剤を服用しているのであれば、必要以上にL-ドーパを摂取することにつながりかねません。
するとドーパミンは過剰に生成されて、不随運動や幻覚、低血圧などの副作用の出る恐れがありますから、主治医に相談してください。
その他には透析患者や妊婦さん、向精神薬を服用している人も、主治医のアドバイスをもらいながら摂取しましょう。
これら以外の健康な方であれば過剰摂取に気を付けて摂取する分には基本的に副作用の心配は必要ありませんし、サプリメントや精力剤に関しても用量と用法を守って飲む分には何ら問題ありません。
ムクナ豆を必要とするのはどんな人?
ムクナ豆が必要な人は数タイプありますが、以下のタイプに心当たりのある人は、ムクナ豆を摂取する習慣をつけてみるのもいいかもしれませんね。
- パーキンソン病の予防をしたい
- 最近、精力減退気味である
- 性欲はあってもペニスが言うことを聞かずにED気味である
- 疲れがたまっていて動くのが億劫
- しっかり休んだつもりでも翌日朝起きるのが辛い
- 運動能力や筋力をアップして体のパフォーマンスを向上したい
- 気分が滅入ってしまっていて、何とかしようと思うけれどもなかなかやる気が起こらない
…etc
こういった方はムクナ豆に含まれるL-ドーパや必須アミノ酸などの成分による症状の改善が期待できます。
まとめ~ムクナ豆の最大の特徴はL-ドーパによるドーパミンの生成向上
いかがでしたか?
今回はムクナ豆の効果や成分、摂取方法などを紹介してきました。
ムクナ豆の最大の特徴と言えばL-ドーパによるドーパミンの生成が高まることにあるでしょう。
ドーパミンが増えることにより集中力ややる気の向上による運動や学習への波状効果はもちろんのこと、ドーパミンに刺激を受けることにより男性ホルモンであるテストステロンも増加することがわかっています。
テストステロンが増えることで性欲の向上や勃起力アップなど様々な男性機能の向上にも効果的です。
食用のムクナ豆も通販などで購入できますし、精力剤やサプリメントにも配合されていることもありますので比較的摂取しやすい原材料だと思いますので、中高年男性は積極的に摂取していきたいですね。
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